ほつれや傷みを、ダーニングステッチで強化治療
『毛糸だま』で過去に掲載された読み物をご紹介いたします。
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【今回のお題】「袖口や裾のほつれや傷みを、ダーニングステッチで強化治療」
[毛糸だま2017年秋号掲載]
さらりとしたウールのメンズカーディガン。ずいぶん愛用された様子で、袖口や裾、ポケット口に傷みが…。
繕った衣類、特に私がおすすめしているような装飾ダーニングをした衣類が、いつまでもかっこよく似合うようでありたいです。実は、イギリスのいわゆる上流階級の社交場で見かける年配の名士のジャケットやカシミアのセーターに、繕いあとがあったりするのは珍しいことではないのです。モノへの執着のなさが、かえって人生への余裕や個性をにじませます。人生もモノも、経年劣化ではなく、経年優化(?!)になるのが理想ではないでしょうか。特に、自分でダーニングができれば、衣類を着こなす楽しみに、育ててゆく楽しみも加わります。
今回のお題は、イギリス製の濃紺のカーディガン。さらっとした肌ざわりの上質なウールで、四季を通じて着られることもあり、細部の傷みが目立ってきていました。シックな装いが得意なオーナー様と、「ちょっと遊び心」を希望される奥様のバランスを取りながら色選びをしてみました。イメージは、イギリス男性の、ピンストライプのダークスーツの裾からちらりとのぞく真っ赤なソックス。いかがでしょうか?
『野口光の、ダーニングでリペアメイク』
『野口光の、ダーニングでリペアメイク お繕いの本』
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ライタープロフィール
・野口光
“hikaru noguchi”を率いるニットデザイナー。ダーニングにどっぷりはまり、こだわりのオリジナルのダーニングマッシュルームまで製造。 「野口 光の、ダーニングでリペアメイク」 、第2弾「お繕いの本」好評発売中(小社刊)。http://darning.net