大きなシミをカバーする
『毛糸だま』で過去に掲載された読み物をご紹介いたします。
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【今回のお題】「大きなシミをカバーする」
[毛糸だま2018年春号掲載]
春から夏にかけて重宝する、ちょっと変形のサマーニット。背面にどこで付いたかわからない謎の大きなシミが…。
ああっ!とうっかりこぼしたコーヒーやお茶のシミ。慌てて洗ってはみても、うっすら残る大きなシミに肩を落とすことはありませんか?
漂白もできず、〝シミ取り〞を使っても繊維が変化して悪目立ちしたりすると、さらにがっくり。そんな時は迷わずダーニングで楽しむ方向に、発想の転換です。
今回は、ロンドンで見付けたスウェーデンのヴィンテージ刺繍糸を使いました。光沢のあるコットン、つや消しコットン、段染め糸、リネンといった様々な種類の刺繍糸を一束一束丁寧に選んでイメージを膨らませます。
持ち主の爽やかな雰囲気から、新緑が美しいせせらぎに泳ぐメダカの群れをイメージして、三角ダーニングをランダムに刺してゆきます。下描きはせず、ダーニングステッチのたて糸を張る時に長さを順々に短くして三角の形を作ります。ダーニングマッシュルームを当てながら刺すと、ニット地も伸びることなく作業できます。糸の色や質のバリエーションを増やしたことで、きらめいた春の雰囲気が出たでしょうか。
『野口光の、ダーニングでリペアメイク』
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ライタープロフィール
・野口光
“hikaru noguchi”を率いるニットデザイナー。ダーニングにどっぷりはまり、こだわりのオリジナルのダーニングマッシュルームまで製造。 「野口 光の、ダーニングでリペアメイク」 、第2弾「お繕いの本」好評発売中(小社刊)。http://darning.net