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知られざるミシンの歴史 part.3

2021.03.16
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一方、日本にミシンが紹介されたのは、1854年(安政元年)のこと。ペリー提督が横浜に再来航した際、徳川十三代将軍家定にさまざまな珍しい献上品を贈りました。その中にミシンがあり、日本で初めてミシンを使ったのが、家定の奥方であった天璋院敬子(篤姫)だといわれています。

この時献上されたミシンは、米国ウィーラー&ウィルソン社製だったそうです。シンガーと同時期に成長したアメリカを代表するミシンメーカーのひとつでしたが、1905年にシンガー社に吸収合併されています。

以後明治初期の日本では、軍服を大量生産するために、大量のミシンを輸入したり、貴婦人の夜会服や舞踏会用のドレスなどを作るために、横浜や神戸などの港町からミシンが輸入販売され、徐々に一般家庭にも広まっていきました。

しばらくは輸入品しかありませんでしたが、大正時代になると国産のミシンが生産されるようになります。近年では、日本でもさまざまな高機能ミシンが開発され、多数のメーカーから発売されていることは、皆さんもご存知の通りです。

世界各国でこれだけの需要があり、さまざまな人の手によって改良が加えられ、今日まで発展をとげてきたミシン。私たちの今後の暮らしにも、欠かせないものであることは言うまでもありません。


明治40年頃に日本で販売されたシンガーミシンの製品カタログ。



改良を重ねて、1865年にニューファミリー型ミシンが生産され、1890年頃までには400万台以上が、デザインを変えて世界中で販売されました。下糸の動くボビンケースは長舟型シャトルと呼ばれ、ミシンの下側を左右に往復して、ハンドル1回転で3針縫える仕組みになっています。




『手づくり手帖』Vol.20より

取材・写真協力/株式会社ハッピージャパン


ソーイングチーム編集スタッフ

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・ソーイングチーム編集スタッフ

日本ヴォーグ社ソーイング本の編集者たち(20~40代)。

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