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世界中の手芸愛好家の憧れ Maison SAJOU 廃業と復活の歴史 part.3

2021.02.10
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フランス製—品質へのこだわり

アルファベットのタペストリーは、サジューの刺しゅう糸を使用したサンプラー。アンティークの復刻柄や素材感、デザインにもこだわったサジューの手芸用品の数々は、思わずいろいろな種類を揃えたくなってしまいます。手前のはさみは特に人気の高いアンティークの復刻版「野うさぎ」と「エッフェル塔」。美しいだけでなく切れ味も抜群です。



フレデリック女史がメゾン・サジューの復活を始めた頃、資金はほとんどありませんでしたが、沢山のアイディアと豊富なヴィンテージ雑貨のコレクションがありました。また何よりも、彼女には復活するための熱意がありました。

彼女が製作するすべての品物は、ヴィンテージモデルに触発されたものですが、正確に復刻した“アンティーク品”ではありません。生産技術が進歩していることや、原料や素材はその時代に合ったものに変えたり、彼女のアイディアも追加されているからです。 ただ、何よりもこだわっているのは、良質な本物のフランス製品を届けること。フランスの糸メーカーは片手で数えられるほどに減少している中、復元した昔の機械で細々と生産を続けているところもあります。それでも、中国製の安価な商品にシフトする考えはありません。彼女はフランス製の高品質な製品を扱うことにこだわり抜いています。これが悩みの原因にもなったこともありましたが、いくつかの素晴らしい出合い、彼女の思いを理解して支援してくれるメーカー、仕入れ先、職人との関係を確立することができました。

2007年には米国の販売代理店が誕生し、1年後にオーストラリアの販売代理店がオープン。2003年にはパリのカイロ通りに実店舗を構えることもできました。

「私にとってはブランドを再起するとともに、フランスの産業遺産を継承し、広く認知してもらうことも重要な目的だと考えています。そして、サジューが偽物のメーカーになることはあってはならないと思っています」と、フレデリックさん。そんな作り手の熱い思いが世界中の手芸ファンにも伝わったからこそ、サジューの復活が成功を収めたに違いありません。日本のファンの後押しも、その一助になったと知ると感慨深いものですね。


サジューの手芸用品の中でも人気が高い「はさみ」。フランスのはさみ工房の職人さんによって、1丁1丁ていねいに作られています。サジューの純正品である証しとして「SAJOU」の刻印と左右の刃に一対のシリアルナンバーが刻まれているのも特長です。


刺しゅう糸「Retors du Nord」を染める前の、上質な綿糸のコーン。


ミニ糸巻きや安全ピン、ボタン、ホック、ピンなど、さまざまな手芸グッズが入ったミニ缶シリーズは、ふたのデザインもバリエーション豊富。


2013年9月にパリのカイロ通りにオープンしたサジューの実店舗。 営業時間/10:00〜19:00 日曜休 住所/47 rue du Caire 75002 PARIS






ライタープロフィール

・ソーイングチーム編集スタッフ

日本ヴォーグ社ソーイング本の編集者たち(20~40代)。

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