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Milarrochy Tweed

2021.06.11
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以前このページでスコットランドのニットデザイナー、ケイト・デイビスと彼女が発表したオリジナル糸の話をしました。彼女は2つめの糸を発表したので、ここで取り上げたいと思います。

伝統的なツイード糸として

彼女の最初の糸ブーフユは、スコットランドで生まれ育ったローカルな羊のウール100%から作られた並太糸でした。彼女自身のさまざまなデザインを支える使いやすい糸として、ファンに愛され続けています。かわってこの冬新しく発表になったばかりの糸は、がらりと雰囲気の違う繊細な風合いのツイード糸、Milarrochy Tweed(ミローキ・ツイード)です。

この糸は、アイルランド北西部の歴史ある紡績所ドネゴール・ヤーンで製造されています。19世紀初頭から続く歴史を持つこの紡績所の糸は「ほかのどんな糸にも似ていない」とケイトは言います。ここで作られる糸はすべて、伝統的な紡毛のツイード糸なのです。ここの糸は、糸の形になってから染めるのではなく、ウールファイバーの段階で染色されます。染まったウールに、さらにウール100% の様々な色合いのネップが「ブレンディング・ルーム」で梳すきこまれ、混ぜ合わされます。ファイバーの状態で色を混ぜ合わせたウールが紡績されることで、生み出されてくる色に、複雑な奥行きと深みが現れます。

色とりどりのサンプルウールを前にしたケイト

ケイト・デイビスの糸づくり

彼女が新たに作りたかった糸にははっきりとした目的がありました。それは編み込みに適した個性の糸であるということです。全体的な調和とニュアンス考慮して、隣り合って違和感がなく、調和して響きあう、12の色が注意深く作り上げられました。そのひとつひとつが、彼女の暮らす場所を取り巻く豊かな自然や、親しんだ推理小説に出てくる探偵の名、あるいはヴィクトリア朝の詩人のフレーズにちなんで、名づけられています。中細のシングルプライであるこの糸は、斜行しないよう、水通しとスチームを念入りにかけて撚りを安定させ、ある程度の強度を保てるよう30%のモヘアが含まれています。モヘアの繊維は糸に光沢を与えるので、色に更なる陰影と深みが加わりました。ケイト・デイビスの糸づくりは、丁寧にものを作り上げることと、そのための関わり方を教えてくれるように思います。

ブレンディング・ルームでの作業

Milarrochy Tweed(ミローキ・ツイード)

ウール70% モヘア30% 1玉25g / 109yrds 1ply

https://katedaviesdesigns.com

ライタープロフィール

・Tricoquelicot /鳥古繰子(とりこくりこ)

編み物がインターネットを通じて広がり始めた頃から毛糸に目覚め、以来世界中から糸と情報を収集。国内外の編み物と糸の「旬」を追いかけている

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