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TONOFWOOL

2021.08.05
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「コルモ」という名の羊を知っていますか?

コルモは、オーストラリア・タスマニア島で1960年に生まれた比較的最近の品種です。タスマニアで最高品質のメリノを育てていたイアン・ダウニーという人物が、コリデール種と掛け合わせて作り出しました。コリデールの育てやすさとメリノの毛質を併せ持つ羊であるコルモは、現在ではオーストラリア国内のほか、主に米国、中国、南米などで育てられています。そのウールは、近年アメリカの手編み市場で少しずつ知名度が上がってきています。

コルモは白い羊なのでカラードの糸は貴重です

加工を国内でできないか

オーストラリアでは羊毛生産は主要産業のひとつですが、現在その膨大な羊毛の加工は中国に運ばれて行われています。メルボルンでテキスタイルの勉強をしていたカイリー・ガゼットという女性がそのことを知り、この加工をもっとローカルに、国内で行うことはできないだろうか、と考えて行動に移しました。カイリーは2011年、クラウドファンディングで資金を集め、コルモ品種を誕生させたダウニー家の農場の、オリジナルのコルモの直系子孫のウールを1トン買い取って、その紡績に取り組んだのです。

けれども驚いたことに、オーストラリア国内には羊毛を洗浄する施設が見当たりませんでした。彼女はニュージーランドで加工可能な施設を見つけ出し、100%地元で糸を作るという夢はかなわなかったものの、メリノに勝るとも劣らないこの素晴らしい手触りの糸とファイバーを、手紡ぎや手編みに使える形にして世界に送り出しました。その成果がこの糸です。

そっとまとめられた300g の大きなカセ

今や幻の糸に

TONOFWOOLという名前は、1トンの羊毛から作った糸、ということからつけられています。糸は300グラムの大きなカセで、ちょっとしたクッションぐらいあります。糸の太さは極(10ply)と中細(4ply)の2種類が作られました。直系コルモウール100%のこの糸は、驚くほどふかふかで、もっちりとした弾力があります。手触りはしっかりとコシがありながら、この上ない極上の柔らかさです。

TONOFWOOLはすばらしい仕上がりでしたが、カイリーの買い取った1トンの終了とともに、市場から消えてしまった幻の糸となりました。けれど世界に広がったコルモウールの糸は、近年日本でも手編み用に輸入されるようになってきています。

TONOFWOOL

CORMO WOOL 100%

1カセ300g / 1056m 4ply

ライタープロフィール

・Tricoquelicot /鳥古繰子(とりこくりこ)

編み物がインターネットを通じて広がり始めた頃から毛糸に目覚め、以来世界中から糸と情報を収集。国内外の編み物と糸の「旬」を追いかけている

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