日本の伝統技術「金継ぎ」
2021.05.07
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「金継ぎ」は、漆と金粉を使用して、割れたり欠けたりした陶磁器を修理する日本の伝統的な技術です。
破損した陶磁器を漆で継ぎ金や銀で上化粧して直すという日本のデザイン力を示す伝統技術で、日本で茶の湯が盛んになった室町時代に茶道の世界に始まったといわれています。
一番の特徴は、修復するだけでなく、その美的価値をもってモノの価値をも高めるということです。
割れて修復した傷跡を「景色」といって、そこに美を意識した時代が、かつてはありました。
この「金継ぎ」の思想や技術、実は年々後継者不足によって失われつつあります。
大量生産大量消費で溢れきってしまった今、人々の意識も手仕事に再注目する動きもでてきています。
「金継ぎ」の主な材料として、漆や金粉を使用します。生正味漆・黒呂色漆・絵漆などの漆に加えて、ヘラや蒔絵筆などの道具も工程によって使い分けます。
基本手順
①割れたものの断面に漆を塗って120℃で2時間焼成後、麦漆で接着します。
②下地(刻苧[こくそ]・錆[サビ]・切粉[キリコ])でカケ部分を埋めます。
③下地部分の上に黒漆を塗ります。
④黒漆部分に絵漆を塗り、金粉を蒔きます。
⑤金の部分を油と磨き粉で磨き、光沢が出たら完成です。
日本ヴォーグ社が運営する「Studio KILNART」では有田焼や九谷焼の和の伝統絵付けだけでなく「金継ぎ」の教室も開講しています。
大切な食器を長く楽しめる日本伝統技法を学んでみませんか?初めての方でも安心して学ぶことができます。
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ライタープロフィール
日本キルンアート協会 STAFF・KilnArt編集チーム
日本キルンアート協会 STAFFは、KilnArtの様々なクラフトの講座企画や商品企画を通じ、作家やメーカーなどとのネットワークが自慢のチームです。
これまでの知識や実際の作品制作も手掛けてきた経験をもとに、皆さまにKilnArtの愉しみを紹介していきます。