トールペイントの花歳時記 -バラ
2021.05.14
「花々の女王」と称されるバラは、世界でもっとも愛されている花ではないでしょうか?
美しい姿かたちと香りは世界中で好まれ、古くから文学や芸術、いい伝えや逸話が残っています。
古代ギリシア・ローマでは、美と愛の女神ヴィーナス(ギリシア神話ではアプロディテ)の花であり、中世では聖母マリアを象徴する花とされました。
クレオパトラはバラの花びらを床に敷きつめたり、寝室を膝の高さまで花びらで埋めつくしたというエピソードが伝わっています。
イギリスでは、日本の「大和なでしこ」のように、イギリスらしい美しい女性を「イングリッシュ ローズ」という例えがあり、
イスラム教では、白いバラは預言者ムハンマドを、赤いバラはアッラーを象徴する花とされているそうです。
古くから品種改良が行われ、多くの愛好家たちに蒐集されてきましたが、特筆すべきはナポレオン皇妃ジョゼフィーヌでしょう。
19世紀初頭、世界各地から250種類ものバラを蒐集して、マルメゾン宮殿の庭園で育て、それらを画家ルドゥーテに描かせました。
後にルドゥーテの『バラ図鑑』として刊行された書物は、図版の美しさで現在も人気が高く、またバラの品種などに関する貴重な資料となっています。
その後も品種改良は続き、現在では登録されている品種だけでも40,000種以上にのぼるそうです。
また近年では、これまで不可能とされていた、青いバラが日本で誕生し「夢かなう」という花言葉があてられました。
は季節のお花の作品を多数掲載しています
ライタープロフィール
トールペイント編集スタッフ・ペイントクラフトデザインズ編集室
日本ヴォーグ社のトールペイント関連の編集スタッフです。雑誌『ペイントクラフトデザインズ』に関わるトールペイントの情報などを中心にお伝えしていきます!