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磁器の歴史

2021.06.09
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ポーセラーツ・磁器絵付に欠かせない磁器。現在では様々な食器が食卓を彩っています。
今回は長い歴史を持つ磁器についてご紹介します。歴史を知ることで普段使っている食器や食卓の楽しみも広がります。

 

磁器の始まり

 

「世界の陶磁器の歴史は、中国から生まれた」と言ってよいほど強い結び付きがあります。「土器」の次に生まれた「陶器」が作られたのは中国の西方にある国々、西域の方が早いとされていますが、その発展の速度と質の点では、はるかに中国の方が優れています。

紀元前122年に西域から、釉のかかった陶器の製造技術が伝えられたと言われています。その後、わずか数百年(紀元300年頃)で美しい青磁(古青磁(こせいじ))が作られるようになりました。後に唐(とう)三彩(さんさい)という優れた陶器をもたらすことになります。そして、これらの陶器はすでに南海路を経て、遠くエジプトなどの国々へ伝えられていきました。

 

10世紀頃の中国王朝の宋の時代になると、世界で初めての白い磁器が焼かれます。特に良質の原料に恵まれた景徳鎮(けいとくちん)には、政府直営の窯場が設けられました。今日でも景徳鎮では、薄胎(はくたい)磁器(じき)と言われる、卵の殻のように薄くて白い磁器が作られています。宋の時代の末期には、釉をかけた上に上絵の具を施す「上絵付け」の技法が完成し、元の時代に青花磁器と言われる、コバルト顔料での「染め付け」(下絵付け)の技法が誕生しました。

こうした数々の磁器製造技法が朝鮮半島を経て、日本へ伝わったのが、永正10年(1513年)のことです。その後、日本の地で白磁が焼成されるまで、約100年かかります。

 

日本での白磁の誕生

 

元和2年(1616年)、朝鮮出身の陶工で李参(りさん)平(ぺい)(日本名:金ヶ江三(かねがえさん)兵衛(べい))という人物の手により、有田焼が生まれました。有田焼は伊万里の港から運び出されたので、一般的には伊万里焼と称されます。その後、酒(さか)井田(いだ)柿(かき)右衛門(えもん)が中国の技法を土台に、赤絵付けの技法を完成させたのは、寛永17年(1640年)とも正保3年(1646年)とも言われています。当時、ヨーロッパ諸国は東アジアへの関心を深め、進出をはじめていました。その尖兵となったのが東インド会社です。1600年にイギリスが東インド会社を設立すると、それを追うようにオランダが1602年、フランスが1604年にそれぞれ設立しています。

東アジアとヨーロッパを結ぶ道は、シルクロードと東インド会社に代表される南海路があります。絹やスパイス等はシルクロードを、そして陶磁器は南海路を経て、ヨーロッパ各地へ運ばれることになりました。17世紀半ばには、伊万里焼はヨーロッパへ大きな衝撃とともに伝えられました。当時のヨーロッパではバロック様式が円熟期にあり、伊万里の華麗な磁器は多くの人々に驚嘆を持って迎えられたのです。

 

作品:Studio KILN ART 有田絵付講座 講師 岩永純則(伊万里・有田焼伝統工芸士)

錬金術師たちの活躍

 

16世紀半ばのイタリア・フィレンツェを支配した名門貴族の家系であるメディチ家では、中国磁器によく似たガラス質のメディチ磁器が作られていました。日本の伊万里焼が、古くからあった磁器への憧れに火を点けたと言えます。

ドイツのアウグストⅡ世も、エキゾチックな東洋の磁器に強い憧れを持ち、その実現に並々ならぬ関心を示した一人です。彼の命を受けた錬金術師のベトガーは、化学者チルンハウゼンの協力を得て、1708年ヨーロッパ最初の磁器を完成させました。これがマイセン磁器の始まりです。

その後、オーストリアで1721年に、デンマークのコペンハーゲンでは1772年に、それぞれ白磁が完成し、広くヨーロッパへ広がっていきました。

作品:Studio KILN ART ヨーロピアンチャイナペインティング講座 本部講師

参考文献/『食卓読本』((株)ノリタケカンパニーリミテド刊)

「Studio KILNART」では有田焼や西洋絵付けの教室を開講しています。

教室には電気炉も完備していますので初めての方でも安心して学ぶことができます。

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ライタープロフィール

日本キルンアート協会 STAFF・KilnArt編集チーム

日本キルンアート協会 STAFFは、KilnArtの様々なクラフトの講座企画や商品企画を通じ、作家やメーカーなどとのネットワークが自慢のチームです。
これまでの知識や実際の作品制作も手掛けてきた経験をもとに、皆さまにKilnArtの愉しみを紹介していきます。

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