手の人 『越膳夕香さん』 part.01
ハンドメイドの楽しさって、
ほしいものを好きなように作れるところ
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バッグやがまぐち製作の著書が多い越膳夕香さん。撮影のために来社されるときはいつも、格好いい自作のバッグからお手製のペンケースや道具入れが出てくる。そのルーツのお話をうかがいに、自宅教室も開いているアトリエを訪ねた。
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幼い頃に培われた「手芸魂」
北海道旭川市の出身である。
「昔の田舎はどこもそうだったろうと思いますが、衣食住すべてにおいて、暮らしの中で必要なものを自分の手で作るのが当たり前で、まわりにいろんなものを作る大人たちがたくさんいました。私も小さい頃から、ミシンを踏んでいる母の横で、端切れを拾ってなにかしら作っていた記憶があります。縫うこと以外にも、切ったり貼ったり、毛糸を編んだり、釘を打ったり、お菓子を焼いたり。外遊びもしていましたよ。ドライフラワーやポプリも作ったし、食べられるいろんな実をおやつにしながら、虫捕り、山菜採り、キノコ狩り。冬はもちろん雪遊び!」
小学生の頃にはすでに、ソーイング雑誌を見てバッグや簡単な服は作っていたそう。冬になれば帽子やマフラー、ミトンを編む。そうやって囲み製図を見て服の型紙を引くことや、編み図を読み解くことを身につけていった。高校は私服だったので、雑誌を見て真似をしたり、店で見たデザインを再現したりして自作した服で通学。
「今の根っこは、あの場所、あの時代からつながっていますね」
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ミシンを並べている窓辺で。すりガラスから入る柔らかい光が気に入っている。
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一日中採光が良いアトリエ。
「小さな端切れも捨てられないので収納が悩み」と言うが、あらゆる道具が使いやすいように整えられている。ここで開く教室は、生徒それぞれが作りたいものを形にするのを手助けするスタイル。
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壁の棚には、実用の糸や用具を古道具と一緒に並べて。
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日本にはまだ数台しか入っていない、ベルニナ社のロックミシン。
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これは小学生の頃に作ったもの。実家で久々に見つけたとき「今と同じことしてたんだ!」と笑ってしまったそう。昔の延長に、今がある。
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『手づくり手帖』Vol.23より
撮影/白井由香里
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ライタープロフィール
・ソーイングチーム編集スタッフ
日本ヴォーグ社ソーイング本の編集者たち(20~40代)。