第7回 お題「タペストリーウール」
ステッチイデーの人気連載「ステッチ&トーク」。普段から親交のある刺しゅう作家の西須久子さんと新井なつこさんがひとつのテーマを元にそれぞれ作品を作り、おしゃべりするページです。対談の本編はvol.34の誌面でお楽しみください。ここでは編集担当者を加えた3人でお送りします。
撮影/白井由香里
ほかにもあった、ウール刺しゅう糸
西須久子(以下・西) 昔はDMCに細いウール刺しゅう糸もあったよね。メディシスウールっていうの。
新井なつこ(以下・新) ありましたね、クルーエル刺しゅう用なのかな? 私はスタンプワークによく使っていました。
編集部(以下・編) 確か5番刺しゅう糸みたいなカセの状態でした。
西 細いから使いやすくてね。25番糸と一緒に使ったりして。いつの間にかなくなっちゃった。
新 アップルトンのクルーエルウールと同じ位の太さで、あれ大好きだった~。再販希望!
西 DMCさん、また作ってくれたらいいのにね。
新 タペストリーウールって、本来は名前の通りタペストリー用というか、ニードルポイント用なんだろうな。網戸みたいなキャンバスをびっしり埋めるように刺して…。
西 ゴブランステッチね。芯糸を横に1本渡しておいて、それをハーフクロスステッチの要領でくるむように刺すの。
新 ハーフクロスステッチだと刺していくうちに最初の方の針目がゆるんでくることがあるけど、ゴブランステッチなら大丈夫。
西 昔は区限刺しゅうとかキャンバスワークの授業には必ずゴブランステッチがあったけど…今はあんまりやらないのかな。
編 土台のキャンバスが手に入りにくくなったのかも知れませんね。
新 そういえば私、前に先生にタペストリーウールを使ったこんな作品をいただいて…。
西 あ~、私が大昔に作ったソーイングケース! まだ持っててくれたのね。
編 とっても素敵じゃないですか!
新 もちろん家宝にしてますよ。このソーイングケース、作った方に似たのか、ちょっと肉厚でして…。
編 なかなかのボリューム!
西 コラ、これを作った頃は今よりもう少し細かったよ(笑)。
新 それは失礼しました(笑)。
印つけは、絶対に油性マジック!
編 タペストリーウールでゴブランステッチって、クッションとかイスの張地とか、家具みたいなものに仕立てることが多いんですね。
新 土台のキャンバスに直接ペンで図案を描いて刺すんだよね。
西 そうなの。この時使うのが、絶対に油性マジックじゃないとダメなのよ! ずっと前のことだけど、友達がチェストの引き出しに仕立てるからってキャンバスにびっしりゴブランステッチして…その後で、前回の対談でも話したよね?
新 タペストリーウールで刺したものは水洗いできないから、裏から霧吹きでたっぷり水を吹きかけるってヤツですね(編集部注・第6回の番外編参照)。
西 さあ全部刺せた、仕上げに霧吹きを…って水をシュッシュッてしたら、水性マジックだったのよ。インクが全部流れて、刺しゅうについちゃって…。
新 うわ~、それは悲劇…。
西 もう、かける言葉がなかった。だからキャンバスに印をつける時は、必ず油性マジックを使ってね!
本編は「ステッチイデー」vol.34でお楽しみください。
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ライタープロフィール
Editor・ステッチイデー編集部
刺しゅう誌『ステッチイデー』編集部です。刺しゅう全般、クロスステッチが大好き。