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今月のキルトギャラリー(1月号)

概要|Overview

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今回のテーマ『名作キルト』

毎回異なるテーマごとに、見ごたえのある素晴らしい大作のキルトをご紹介する本コーナー。キルトジャパンWEBでは、本誌で見られなかった作品の部分アップの画像を特別にご覧いただけます。クリックでアップ画像がご覧いただけます。

【コメント】“伝統は永遠の流行りなり" 今から45 年くらい前に江戸時代の緞帳(どんちょう)をいただき、錦糸銀糸の大きく重たい月や船の輪郭の綻びを一年掛かって直し『宝来船』がやっと姿を現しました。船の下には海なる布を。右端には大好きなパターンを足し、『宝来船』が完成しました。20 年後、京都では目出度いとされる背中に大きな白い蕪かぶが描かれた江戸時代の狂言師の肩かたぎぬ衣が手に入り、その斬新なデザインに歓喜し大事で使えなかった大正時代の日本刺繍やパターンを『宝来船』に思い切って使い、気がつくと3 倍以上の大きさになっていました。当然作品名は『宝来船“ふたたび"』と改名したのです。暗雲垂れ込む空からは日本刺繍の見事な龍が、大海からは筒描きの亀が。突然こんな船が目の前に現れてくれたら嬉しいのにね!!

【プロフィール】世田谷区生まれ。キルト界のパイオニア。1976 年原宿セントラル・アパートにて日本初のキルト教室『チャックス・パッチワークスクール(後にハーツ& ハンズと合併)』を開校。NHK出版社刊「パッチワーク・キルト」がベストセラーとなり、全国にキルトが流行。“婦人百科” テレビ出演は11 年に渡った。同時に「NHK 婦人百科フェスティバル展」にて全国を回り、各地にサンケイ、NHK、朝日のカルチャーセンターを開校。生徒数は延べ1 万人を超えた。著名作家も多数輩出。ハワイ大学短期留学後、ミラノのデザインスクールに通う傍らインテリア小物デザイナー、ガブリエラ・クレスピ伯爵夫人に学ぶ。東京藝術大学大学院非常勤講師。玉川大学デザイン構成学非常勤講師。「なんでも鑑定団」鑑定士、「徹子の部屋」出演。日本ヴォーグ社刊「野原チャックの2001新パッチーク・パターン」ほか著作本多数。

【テクニック】ハンドピーシング、ミシンキルティング

【素材】和布 、アフリカラフィア、洋布

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【コメント 】膨張と収縮の六角形を組み合わせながら、いかになめらかで自然な動きを表現できるかを追求した二極分化システムを利用したパターンです。夕暮れの空と海の響き合いを、藍の型染めと無地を使って表現しました。夕焼け空を豊かに表現するために布をカットする段階で布を染めたりしました。

【プロフィール】1975 年アメリカでパッチワークと出会う。藍染めを主とした日本の布の魅力を世界に紹介。作品はアメリカを始め世界各国で展示され、講習会等でも活動。アメリカネブラスカ州のインターナショナルキルトスタディセンター&ミュージアム(IQSCM) には作品が十数点所蔵

されている。


【テクニック】ミシンピーシング、ハンドキルティング

【素材】コットン

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【コメント】花のプリントを切り取って机の上に並べてみると、とてもきれいなのでそのままアップリケすることにしました。シルクタフタの上にレイアウトしてみると新たな布として花柄が生き返るようで、より一層エレガントです。写真で見たモネの庭も確かいろいろな花がいっぱいでした。


【プロフィール】福岡県在住。広告会社のグラフィックデザイナーを経てグラフィックと共通点の多いパッチワークを始める。現在は本校と日本ヴォーグ社にクラスを持ち、主宰するKSPスクールは2023 年に40 周年を迎えた。これまでにパッチワークやソーイングの著書を多数出版。

【テクニック】ハンドピーシング、ハンドキルティング、ハンドアップリケ

【素材】/コットン、シルク

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【コメント 】幼い頃姉が愛読していた「ジュニアそれいゆ」を見て中原淳一先生のイラストの赤いドレスに衝撃を受け、2002年の東京ドームキルト展に「憧れの赤」というタイトルで発表しました。それから10 年経ち2013 年に第2 弾として赤いドレスをテーマに赤・白・黒の3 色でログキャビンと組み合わせた作品です。赤への憧れは永遠です。


【プロフィール】東京都在住。文化服装学院卒業。野原チャック氏に師事し、パッチワークキルトスクール「ハーツ&ハンズ」の講師を経て2005 年より自宅にて少人数制の教室「La Clochette」を主宰。ヴォーグ社キルト塾などで講師を務める。著書多数。

【テクニック】ハンドピーシング、ハンドキルティング、ハンドアップリケ

【素材】コットン

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【コメント 】ポインセチア(スウェーデン語でユールフェーナ)をモチーフにして作った作品です。先のとがった葉っぱの形がダイアモンドのように見えるので、ダイアモンド(ひし形)でポインセチアを表現しました。色合いは私が大好きなスウェーデンをイメージしています。空のブルーからグレーを基調にして作りました。

【プロフィール】千葉県在住。あたたかみのある深い色合いと丁寧な針仕事の作品は、日本のみならず海外にも多くのファンをもつ。テレビ、雑誌などで幅広く活躍。海外での作品発表、講習会にも力を入れている。千葉県市川市にてキルトショップ『キルトパーティ』主宰。著書多数。

【テクニック】ハンドピーシング、ハンドキルティング、ハンドアップリケ、刺しゅう

【素材】コットン

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【コメント 】キルトジャパン200 号を迎えましたことおめでとうございます。日本の「メデタイ」作品でお祝いを。シンプルな図形で構成した63 枚のパッチワークパターンはハレの日、縁起物(五穀豊穣、商売繁盛、無病息災、子孫繁栄、招福祈願など)のデザイン。配色は赤、白、こだわりのグレーで。

【プロフィール】東京都在住。グラフィックデザイナーを経てキルトデザイナーに。パッチワーク教室「キルターズスタジオ」主宰。中島一恵氏とユニット「FIRST OF INFINITY」を結成。共著「MOJIPatch work」( 誠之堂新光社) 他多数

【テクニック】ミシンピーシング、グリッドミシンキルティング

【素材】コットン

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【コメント】東日本大震災で知り合いの方を沢山亡くしました。そんな時、皆に向けて「大切な人を亡くしたあなたも、心に傷を負った人も、みんな、みんな、ひとりじゃないよ。新しい年を迎えたよ。輪になっておいで。一緒に進もうよ。」と気持ちを込めて仕上げました。

【プロフィール】青森県在住。豊かな自然に囲まれた土地に創作意欲を刺激され、和布を使った優しいキルトを数多く制作。国内外の展示会に出品出展し好評を得る。東京と青森にショップ&教室「ジョアン」を主宰し、和布で作る洋服や小物を提案している。著書多数。

【テクニック】ハンドピーシング、ハンドアップリケ、ハンドキルティング

【素材】古裂

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【コメント 】六角形をつなげ、リングを浮かび上がらせるデザインで幸せな結婚を祝うキルトに

なったように思います。ボーダーには、ギンガムステッチを刺しゅうし、幸せを運ぶ四つ葉のクローバーをランダムに並べて、不思議な遠近感を表現しました。

【プロフィール】東京都在住。1970 年代日本におけるパッチワークキルト創成期より始め、1980 年国立市に教室兼ショップ「キルトおぶはーと」を主宰。創作指導に努める傍ら、多くの著者本でキルトを普及する。2018 年からは日本ヴォーグ社CRAFTING ARTGALLERY で『キルトフェスタ』を開催している。

【テクニック】ハンドピーシング、ハンドアップリケ、ハンドキルティング、トラプント、ギンガムステッチ

【素材】コットン、刺しゅう糸

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