第7回キルトジャパンコンテスト 入賞作品発表
入賞作品は「キルトジャパン2024年月号冬」にも掲載されています。
概要|Overview
日本ヴォーグ社のクラフティングアートギャラリーにて、第7回キルトジャパンコンテストの審査会が開催されました。今回はA 部門:ミニタペストリー「テーマ:憧れ」とB 部門:袋ものの2 部門で募集。本審査は、小関鈴子さん、笹倉幸子さん、キルトジャパン編集部によって行われ、各賞が決定。協賛社賞もあわせ、計152 点の入賞作品を発表します。
第一次審査 2023年6 月15 日 第二次審査 2023 年8 月2 日 応募数 A 部門206 点・B 部門171 点 計377 点
撮影/白井由香里 森谷則秋
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過去のコンテスト入賞作品はこちらから見られます↓
金賞
各部門から1名ずつ、優れた作品に贈られる賞です。
「モノクローム」68×68㎝
山田 圭子 (埼玉県)
作者のコメント/ゼンタングルの世界観をキルトで表現してみたくてこの作品を作りました。試行錯誤するのも楽しく、満足する作品が完成しました。
審査員からのコメント/
小関 モノトーンの配分がちょうどよく、デザインも美しいです。模様をミシンのステッチで表現しているのに驚きました。 笹倉 ミシンキルティングを細かく入れることで線が面になり、ゼンタングルの模様がうまく表現されています。編集部 シンプルなキルトトップに入れたキルティングが美しく、ラメ糸も作品に合っています。
銀賞
各部門から2名ずつ、優れた作品に贈られる賞です。
「よ!日本一!!」80×80㎝
坂根 ようこ (青森県)
作者のコメント/富士山の上で見得を切るしゃちほこに「よっ!日本一!」と声をかけたくなります。伝統モチーフと富士山のコラボで日本の心を表現しました。
審査員からのコメント/
小関 モラのテクニックで日本のモチーフを表現しているのがユニークで印象に残ります。黒い土台もインパクトがあります。 笹倉 外国に向けて日本を発信しているようにも見える作品です。グラデーションの生地使いも美しいです。編集部 モラのテクニックが素晴らしく、日本をテーマとした華やかなデザインが魅力的です。
「CIRCUS!」 25×25×14㎝
藤井 千恵 (岡山県)
作者のコメント/サーカスは楽しい!去年の夏に父と行ったサーカスではピエロが夢の空間へ連れて行ってくれました。またサーカスへ行きたいな。
審査員からのコメント/
小関 サーカスのテントのような形をしているバッグでオリジナリティーがあり、カラフルで目立ちます。笹倉 様々な素材を使ったぬいぐるみも取り付けられていて、子供が持ってもかわいいですね。編集部 スモッキング刺しゅうやビーズ刺繍も施され、サーカスを見た時の楽しい気持ちが表現されています。
「春を待つ花」 24×34×8㎝
栗森 貞江 (広島県)
作者のコメント/雪の中で枯れ葉の下に小さな花が咲いていました。それがかわいらしく、愛おしく思って作品にしました。
審査員からのコメント/
小関 たくさんのビーズとステッチが目を引きます。袋口もかわいらしく、楽しんで制作しているのが伝わります。 笹倉 ステッチも花も素敵で、前・後側ともに丁寧に作られています。黒いファッションに合いそうです。編集部 明るい色使いで、様々な糸やビーズを使ったたくさんの刺しゅうから手作りの良さが感じられます。
「Longing for a mandala」 80×80㎝
飯田 奈緒美 (東京都)
作者のコメント/前から制作したかった曼荼羅模様に挑戦しました。1枚の布にキルティングと少しのペイントで表現したホールクロスキルトです。
審査員からのコメント/
小関 一枚布とミシンキルティングでここまで表現できるのはすごいです。周囲のホワイトキルトの部分は彫刻のようです。 笹倉 ミシンキルトの進化形と言える作品です。デザインをきめ細かく考えられていて、糸選びもきれいです。編集部 曼荼羅模様の美しさがキルトで表現され、キルティングだけで描かれたとは思えない迫力も感じます。
審査員賞 小関鈴子賞
各部門から1名ずつ、各審査員により選ばれた賞です。
「わぁ~い、楽しいね~」80×80㎝
坂根 ようこ (青森県)
作者のコメント/憧れの大空を嬉しそうに飛び回り、歌ったり踊ったり大はしゃぎ。楽しい会話が聞こえてくるような物語のひとこまをモラで表現しました。
審査員からのコメント/
小関 風船で空を飛ぶふぐをリバースアップリケで表現しているのが面白く、見ていて気持ちが明るくなります。
「携帯電話Bag」 20×30×16㎝
小川 昌江 (東京都)
作者のコメント/黒電話の角がないフォルムをイメージしました。持ち手にあたる受話器はショルダーにしたくて長めにしました。
審査員からのコメント/
小関 ヴィンテージ生地を使ったピースワークがかわいいです。渋めの色で作った太い持ち手が本体に合っていて、バッグの形も素敵です。
審査員賞 笹倉幸子賞
各部門から1名ずつ、各審査員により選ばれた賞です。
「飛翔」 80×80㎝
真壁 智美 (埼玉県)
作者のコメント/空高く自由に飛びめぐることへの憧れ。力を蓄えて飛び立つ準備が完了しました。さあ、行っておいで!
審査員からのコメント/
笹倉 翼は縫い代付きで丁寧にミシンアップリケされています。翼や土台のむら染めから、力強さや意思の強さを感じます。
「古風な」 30×40×11㎝
高橋 民恵 (愛知県)
作者のコメント/古布は派手さはなく凛とした味わいがあります。布のしきたり、考えや手法をそのまま生かして落ち着いた洋服にも合うバッグにしました。
審査員からのコメント/
笹倉 藍系の和布をつないだ土台に太めの白糸で入れたキルティングが映えます。シンプルで和を感じさせないおしゃれ感があり仕立てもきれいです。
審査員賞 キルトジャパン編集部賞
各部門から1名ずつ、各審査員により選ばれた賞です。
「暖かな春への芽ぶき」 78.5×67㎝
河邉 福子 (熊本県)
作者のコメント/寒い冬から春に向かって一斉に木々が芽吹き始め、緑に染まっていく力強い様子を表現しました。
審査員からのコメント/
編集部 和布でバランスよくピースワークされた中央部分にボーダーのアップリケやキルトラインが合っていて、春を待つ気持ちが伝わります。
「Ishigakiトートバッグ」 37×32㎝
西垣 光子 (神奈川県)
作者のコメント/城の石垣は美しく積み上げられ魅力的です。それぞれの石に個性をつけたいと思い、トラプント、綿、刺しゅう糸で工夫してみました。
審査員からのコメント/
編集部 それぞれのモチーフを作り、シンプルな土台に配置した斬新なデザインです。トラプントで立体感があり、色が統一されていておしゃれです。
トラディショナル賞
トラディショナルのデザインやテクニックが優れた作品に贈られる賞です。
「やさしい歌を聞きながら」79×72㎝
藤本 智子 (滋賀県)
作者のコメント/憧れのパターンである「ジャックスチェーン」。やさしい歌が広がるような雰囲気を目指してシャドートラプントの小花も咲かせました。
審査員からのコメント/
小関 全体を優しいブルー系でまとめ、リングが見える配色がきれいです。ところどころにコードをつけているのも面白いです。 笹倉 オーガンジーやくるみボタンなどさまざまな素材が取り入れられ、トラディショナルの配色が現代風でおしゃれです。編集部 細かいピースワークとトラプントで細部まで丁寧に作られています。
特別賞
テクニックが優れデザインも個性的で目を引く作品に贈られます。
「ウィッシュリスト Part1」 72.5×76.5㎝
高尾 千恵美 (神奈川県)
作者のコメント/獣医さんの待合室で手にした丸太小屋の雑誌。かつて、こんな家に住んで南仏風の庭にしよう、と夢見ていたことを思い出しました。
審査員からのコメント/
ログキャビンで丸太小屋や空が表現され、配色でパターンの見え方が変わるのが面白いです。お庭の様子も丁寧に表現され、夢のあるデザインで憧れというテーマに合っています。
「一緒に出かけましょう!」41×36×10㎝
篠原 利江 (神奈川県)
作者のコメント/大小さまざまな円形布を、いろいろな色糸でステッチすると、元の布の色が少しずつ変化して行き、とってもおもしろかったです。
審査員からのコメント/
布を重ねてミシンステッチで模様を作っているのが斬新で、まるで生地を作ったようです。こういう素材があったらいいなという面白い表情が出ています。