第8回キルトジャパンコンテスト 入賞作品発表
入賞作品は「キルトジャパン2025年1月号冬」にも掲載されています。
概要|Overview
日本ヴォーグ社のクラフティングアートギャラリーにて、第8回キルトジャパンコンテストの審査会が開催されました。今回はA 部門:ミニタペストリー「テーマ:私の好きなもの」とB 部門:袋ものの2 部門で募集。本審査は、斉藤謠子さん、若山雅子さん、キルトジャパン編集部によって行われ、各賞が決定。協賛社賞もあわせ、計147 点の入賞作品を発表します。
第一次審査 2024年6 月27 日 第二次審査 2024年8 月8 日 応募数 A 部門222点・B 部門145 点 計367 点
撮影/森谷則秋
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過去のコンテスト入賞作品はこちらから見られます↓
https://www.tezukuritown.com/nv/c/cqjpcon/
第7回キルトジャパンコンテスト入賞作品はこちら
https://nihonvogue.com/gallery/gallery-detail.html?id=1
グランプリ
第8回キルトジャパンコンテストのグランプリ受賞作品です。
「Disco Together」77×77㎝
楊 楠 (中国・深圳)
作者のコメント/レコードをテーマに制作。Discoの年代に戻り、たくさんの光と美しい音楽に合わせて踊る人々を表現しました。さあ、一緒に踊りましょう!
審査員からのコメント/
斉藤 レコードをテーマにしたアイデアが素晴らしいです。大小のレコードのバランスが良く、色使いも素敵です。若山 レコードにダンスをしている人々を組み合わせてデザインされ、音楽が聞こえるようです。編集部 一つ一つのレコードと人のモチーフが丁寧に作られ、ミシンキルトや飾りステッチが上手く使われています。
金賞
各部門から1名ずつ、優れた作品に贈られる賞です。
「金蒔絵」79×79㎝
中村 知子 (福岡県)
作者のコメント/手でモノが作られていく時間が大好きです。長く続いてきた手仕事の完成に至るまでのすべての工程に畏敬の念を感じています。
審査員からのコメント/
斉藤 細かいピースがきれいに縫い合わせてあり、ボーダーもログキャビンでデザインされているのがいいですね。若山 パターンに様々な色が使われていて、背景はトーンの異なる黒が使い分けられ、全体がまとまっています。編集部 パターンをミニチュア風につないで金蒔絵を表現するというアイデアが素晴らしくテクニックも見事です。
「水の湧く森」 17×25×17㎝
土田 祐子 (福岡県)
作者のコメント/バッグをオブジェととらえ、深い所で静かに湧く泉を抱いた森を表現したいと思いました。机の上に飾ることのできる森です。
審査員からのコメント/
斉藤 各パーツが緻密に作られ、全体がバランスよくまとまっていています。若山 テクニックが独創的でデザインも素敵。実際に使えそうなところもいいですね。編集部 ワイヤーの土台に布や糸で様々な素材を用いて深い森が表現され、アイデアが斬新です。
銀賞
各部門から2名ずつ、優れた作品に贈られる賞です。
「Coral reef」 79×79㎝
沖津 明美 (茨城県)
作者のコメント/温暖化などの影響でサンゴが死滅してしまうそうです。南国の海で、多様で豊かな生態を守りたいと願いを込めて制作しました。
審査員からのコメント/
斉藤 トラディショナルパターンを取り入れながらも創造的で、アップリケされた海藻はゆらゆらと動きを感じます。若山 海底で生き物が楽しく暮らす様子が伝わってきます。生き物をデフォルメしないで作られている点もいいですね。編集部 月が浮かぶ空の下に美しいサンゴがデザインされ作者のメッセージが伝わります。
「母の収穫祭」80×80㎝
田中 和子 (広島県)
作者のコメント/93歳の母が娘・孫・ひ孫のために野菜を作っています。近年猪が出て収穫ができない日が続いていますが、1日でも長く続けられたらと思っています。
審査員からのコメント/
斉藤 蚊帳や毛糸など様々素材を使い、野菜を上手に表現されています。若山 布や糸を組み合わせたテクニックが個性的で面白いです。背景にも細かく丁寧にステッチされています。編集部 立体的で奥行きを感じます。布による表現の可能性が感じられました。
「風車」 40×40×20㎝
和田 まゆみ (東京都)
作者のコメント/風と空と青色が好き!これらをまとめて、流れと勢いのあるデザインに挑戦しました。風車のさわやかな回転音が響いてきませんか。
審査員からのコメント/
斉藤 絶妙な配色で作られファッションに合わせやすそうで、使いたいと思いました。 若山 袋口が縦に開くデザインが斬新で、異なる色のファスナーがポイントになっています。編集部 風車のパターンにさわやかな配色が合っていて、キルティングラインも効果的です。
「My Asian Style」 30×30×30㎝
横田 弘美 (神奈川県)
作者のコメント/一枚布にステッチのみで表情をつけ、私の中のアジアをイメージして仕上げました。
審査員からのコメント/
斉藤 刺しゅうだけでパッチワークのようなデザインになっていて、実際に使えそうなところもいいですね。若山 刺しゅうにより少しずつ模様ができ上がる楽しさが伝わってきます。刺しゅうで布が作られているようです。編集部 シンプルな材料とテクニックで表情豊かなバッグを作れることに驚きました。バッグの形も個性的で素敵です。
審査員賞 斉藤謠子賞
各部門から1名ずつ、各審査員により選ばれた賞です。
「ka・ke・raをつなぎ合わせて」77×77㎝
畠山 富美子 (岩手県)
作者のコメント/今まで制作した作品のはぎれの数々を集めつなぎ合わせました。たくさんのka・ke・raの中で記憶と想い出が楽しく蘇りました。
審査員からのコメント/
斉藤 さわやかな配色で、ボーダーの白と黒の分量がちょうど良く、額縁仕立ても新鮮。部屋に飾りたいと思いました。
「これが私のポルカドット!」27×37×10㎝
福島 純子 (大阪府)
作者のコメント/様々な素材・手法を用いて、異なる黒い丸を多数作成しました。モノトーン+αで、憧れの大きいドット柄バッグが完成しました。
審査員からのコメント/
斉藤 パッチワークと刺しゅうで作られたシンプルな丸が光沢のある土台にアップリケされていて、とてもおしゃれです。
審査員賞 若山雅子賞
各部門から1名ずつ、各審査員により選ばれた賞です。
「かえるの散歩」 80×80㎝
仲沢 幸子 (茨城県)
作者のコメント/絵を描く事が大好きな、8歳の孫(男の子)がかえるの絵を描いてくれました。あまりに可愛いのでキルトにしたいと思い作った作品です。
審査員からのコメント/
若山 角が真上に来るデザインと個性的なかえるたちが目を引きました。お孫さんと過ごす楽しい時間が伝わってくるようです。
「風を斬って(サイクリングフロントバッグ)」 21×28×21㎝
鎌田 朋子 (千葉県)
作者のコメント/かねてからの主人のリクエストの自転車バッグ。機能性を満たしながら颯爽と風を斬って楽しく走れるよう願いを込め、仕立てを熟考し完成しました。
審査員からのコメント/
若山 手作りのサイクリングバッグを初めて見ました。機能的で、自転車に乗る時も楽しくなりそうです。
審査員賞 キルトジャパン編集部賞
各部門から1名ずつ、各審査員により選ばれた賞です。
「魔法世界への入口」 76×76㎝
日比野 香代子 (埼玉県)
作者のコメント/冒険ファンタジーに魔法の世界はつきものです。物語の中に想像の翼を広げて入っていく時が何よりも豊かさを感じる私の好きな時間です。
審査員からのコメント/
編集部 丁寧に細かくパッチワークされていて、テクニックが素晴らしいです。物語を読んでワクワクする気持ちが1枚のキルトに表現されています。
「恋するメキシカンBag」 29×34×6㎝
坂根 ようこ (青森県)
作者のコメント/前面は四角モラ、後面は縦ラインモラで制作。沢山の刺しゅうで動きを出し、ヒョウ柄の組み合わせでギラギラと熱いメキシカンな恋の予感をイメージしました。
審査員からのコメント/
編集部 モラと刺しゅうのテクニックが素晴らしく、丁寧に縫われています。はっきりとした色彩も鮮やかで気持ちが明るくなります。
トラディショナル賞
トラディショナルのデザインやテクニックが優れた作品に贈られる賞です。
「赤と青」73.5×72.5㎝
橋本 明日香 (岐阜県)
作者のコメント/大好きな赤と青をバランス良くまとめられるよう考えて作りました。
審査員からのコメント/
斉藤 パターンの大きさと配置がランダムなところが良く、生地使いも上手です。若山 色々なパターンが入っていてログキャビンのレッスンにもなりそう。ボーダーもバランス良くまとめられています。編集部 はぎれを使ったカラフルで明るい配色。人気のパターン、ログキャビンを思い切り楽しめる1枚です。
特別賞
テクニックが優れデザインも個性的で目を引く作品に贈られます。
「宿る文庫本」 73×75㎝
市川 淑子 (埼玉県)
作者のコメント/大好きな文庫本、それを包むブックカバー。ほどけば全部使用できます。せっかくなのでキルトの森に宿らせて、楽しく眺めています。
審査員からのコメント/
土台の配色が効果的で、本が引き立っています。ブックカバーを縫い止めるアイデアも素晴らしいです。但しコンテストではオリジナル性が問われますので、ブックカバーは名画でなくオリジナルデザインだとなお良かったです。