針仕事の原風景、靴下のお繕い
【今回のお題】「針仕事の原風景、靴下のお繕い」
[毛糸だま2018年夏号掲載]
いろんな人の穴あき靴下。人によって傷むところが違っています。
日常の衣類で傷みが激しいものと言えば、やはり靴下でしょう。
靴を脱ぐ習慣のある日本では傷みも目につきやすいものです。歩き方や足の形、靴との相性などで傷む部分に個人差があるのも靴下の特徴。
幼い頃、明治生まれの祖母が電球を当てながら靴下を繕っていた姿は、私の針仕事の原風景のひとつです。
靴下のダーニングには、生地と同じような厚さ、もしくは若干太めの糸を使うとよいでしょう。靴下用の化繊混合率の高い毛糸なら丈夫ですし、絹の靴下には絹の穴糸がお勧めです。また、モヘア混の毛糸は動物性天然繊維の中で断トツに強靭で撥汗性が高く、ダーニングにぴったりです。繕ってもまた同じような箇所が擦り切れてしまう場合は、穴があく前に違う色で半返し縫いのゴマ塩ダーニングを施すとよいでしょう。カラフルにダーニングした靴下を履けば、靴を脱いだ瞬間にニンマリしてしまうこと間違いなしです。
『野口光の、ダーニングでリペアメイク』
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ライタープロフィール
・野口光
“hikaru noguchi”を率いるニットデザイナー。ダーニングにどっぷりはまり、こだわりのオリジナルのダーニングマッシュルームまで製造。 「野口 光の、ダーニングでリペアメイク」 、第2弾「お繕いの本」好評発売中(小社刊)。http://darning.net