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世界で活躍する日本人を紹介 vol.2

2022.07.21
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イギリスの隣に面したアイルランドで、キルトの仕事をしているTomomi McElweeさんにお話を伺いました。


Tomomiさんのお仕事


山口県出身のTomomiさんは、20数年前、日本の外で何か違うことをしてみたいという気持ちで、アイルランドに渡航しました。

今もその地の片田舎カーロウ県でゆったりと暮らしています。

子供の世話から少し手が空いた頃、手にした古い手回しミシンでパッチワークを始め、キルト作りの楽しさに出会いました。

当地で手に入る本などを参考に技術を磨き、10年ほど前に小さな教室を始め、現在の教室兼ショップ「Slaney Quilting Studio」を自宅にて運営するようになりました。

自らの創作以外にも、小さくなった子供服や亡くなった方の衣類を使った思い出の詰まった世界に一つだけのメモリーキルトの制作や、キルトトップのデザインに沿ったオリジナルのキルティングを施すといった仕事もしています。

時には近隣で開催されるアートフェスティバルなどの一環として、地元の仲間とキルトの展示をしたり、自らも数々の賞を受賞してきた アイルランドでのキルトコンテスト「Open Ireland Quilt Competition」の運営にも数年前から大きく関わっています。




Tomomiさんのご自宅と、教室兼ショップ「Slaney Quilting Studio」。


ミシンキルティングをするTomomiさん。


アイルランドのキルト文化


掛け布団という役割も持っているキルト。布の再利用や余り布の活用が当たり前だった時代を経て、暖かさを求めての手作りのキルトがアイルランドにもあります。

今では新しい布でカラフルに作るアメリカンキルトが、すっかり定着してきました。

主流は、やはりベッドカバー。小物類は生活習慣の違いか、まだまだ作る方が多くありません。


アイルランドのモダンキルター仲間と、オンラインキルティングビーでブロック交換をして作ったキルト。


「Celtic Cross round robin」210×210㎝ 中央のブロックにラウンドロビン形式でデザインを加え、どんどん大きくなったキルトです。(パターンの参考/www.favequilts.com/Mini-Quilts-and-Doll-Quilts/Celtic-Cross-Mini-Quilt-Tutorial)


用具は日本のものが一番質が良く使いやすいです。日本に帰るたびに針やはさみなどを買っていましたが、今では地元でも手に入るようになりました。


ミシン糸はイタリアのAurifilの糸を使用。色数が多くきれいにキルティングできます。


使っている押えとルーラー。左上はKwik Klipという安全ピンの針先をすくい上げる道具。


Tomomiさんのキルト作り


アイルランドでもトラディショナルパターンは人気がありますが、Tomomiさんは自身の表現を求めて、「minimalist(ミニマリスト)」と「improv(インプロブ※improvisationの略)」という手法でデザイン、ピーシングをしています。

ミニマリストは、何もない空間を残すという考え方。パッチワークをしない部分があったり、または色数を落としたり。

またインプロブとは即興という意味で、デザイン決めず、布をみてバランスを見ながらつないでいきます。

どちらもモダンキルトで使われる手法ですが、水墨画にある余白を残すという考え方、そして BORO のようにつぎはぎをしていくという、古くからある日本の文化に影響されています。

そこにキルティングを加え、布で表しきれなかったイメージを助け、布だけの時にはなかった新しいものを組み込んでいます。

「Burren」71×70㎝ オンラインで購読した講座をもとに作った、ミニマリストとimprovのキルト。


「Sand ripples,風紋」89.5×113㎝ improvの練習で制作。大きな空間を入れて、キルティングで遊びました。無地を使うとキルティングが目立ち、表現が広がって楽しいです。



Tomomi McElweeさんのSNS



インスタグラム @ slaneyquiltingstudio

フェイスブック Slaney Quilting Studio


この記事は「キルトジャパン2021年7月号夏」に掲載されました。

ライタープロフィール

・キルトジャパン編集部

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