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羊毛倉庫の「作りたい」という気持ち 落ち葉の森

2022.01.17
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この人形は、ニードルフェルティングという魔法のような一本の針から作られています。フワフワの羊毛をチクチクと刺すことで、ギュッと固めたりかたちづくったり、意外に緻密な作業もできてしまいます。

このニードルを手にしたのは、21世紀に入ってすぐの頃。今のように市場に教則本などあるわけもなく、あれこれと悩みながら作り続け、“自立するフェルティング・ドール”の技法もなんとか確立しつつあります。たくさんの方に展示会で見ていただく機会も増え、講師としての場も与えられるようになりました。

この幸運は何物にも代えたがく、私が唯一、人のためにできることでしょう。しかしその一方で、時に思い出すのは…。当時2歳の息子を育てながらクタクタになった夜、しんと静まった部屋でひとりニードルを手にしていた空想の時間。静寂と逃避、安らぎと情熱が、その空間に私というものの根源を培っていたのでした。そんな気持ちは、いったいどんなふうに人に伝えればいいのかしら?

技法や素材は大事だけど、それより一番重要な「作る思い」は、言葉になりません。せめてこの誌面をお借りして、今までの仕事の集大成をみなさんに楽しんでいただきたいと願うばかりなのです。


[毛糸だま 2010年冬 148号掲載]



今回は木をスケッチしていた子どもの楽しいひとときをシンプルに組み合わせた一場面がテーマ。羊毛の他にもウール布やアクリル毛糸などを使用。フェルティングニードルはいろんな素材同士を絡めて刺すことができます。

ライタープロフィール

・羊毛倉庫

鈴木千晶の人形作家名。東京校を中心に、横浜校、名古屋校、心斎橋校、さらには天神校でも講座を持つヴォーグ学園の人気講師。
http://yoomoo.blog5.fc2.com

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